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inkインタビュー 千差株式会社(旧INTUS.) 柳谷環氏

inkインタビュー 起業マインドを先輩経営者から学ぶ!!

inkインタビューとは、先輩経営者のエピソードを伺い、コロナ禍のような、誰もが予測しない困難が起こった時、どんな環境下でも、乗り越えていく、マインドを学びます。

千差株式会社 代表取締役 柳谷環氏

TOY&インテリアプロダクトのミニメーカー「Sukima.」ブランドの運営。レーザー加工での看板やサインの制作、オーダーメイド商品制作。また制作会社としてクライアントの事業計画や販売促進のお手伝いもしています。他アプリの企画制作、イベントの企画運営等。2019年に法人化。

 

創業のきっかけについて

会社員時代、会社で運営していたサービスのうちの1つで子ども向けのECサイト事業があり、そこで仕入れ、商品の掲載、受発注や発送という一連のやりとりを経験しました。また私自身の家で、子供をモデルにして自分たちで商品撮影をしていたのでとても思い入れが強い仕事でしたし、とても楽しかったんです。そのうち当時働いていた会社がM&Aされて社長が変わり、一緒に働いていた人達が辞めていき体制が色々変わる中で、メーカーとして商品開発にチャレンジにすることになって。初めてのプロダクトデザインで、手探りでデザインしていく中でレーザーカッターに出会いました。試作に使ってみていたのですが、そのままでも結構いい感じに仕上がるので、そこでレーザーカッターの可能性は感じていました。結局、会社の方針転換で、商品化する前に事業ごと売却することになってしまって。
私にとってはこの事業があったから頑張ってこれたところがあったので、なくなったら会社に居る意味がないなと感じました。そしてものを作って売るという一連の工程を経験してきたこと、レーザーカッターを使ったプロダクトが作れそうだということで、自分で作った商品を、小さな規模でも自分で販売してみようと思ったのが始まりでした。


 
サービスをはじめたきっかけ

当時、自分自身に2歳と5歳の子供がいて、自分が買ってあげたいと思えるおもちゃが中々なかったんです。あったらいいな、子供に使わせたいな、どうせなら子供だけではなくて、ママである私自身も欲しいと思えるようなシンプルで温かみのある、それでいて知育にもなるようなおもちゃを作りたいと思ったのがSukima.を立ち上げたきっかけです。
小さな子供がいると、思うように家が片付かなくてママのストレスもたまりがち。そこを解決できるような、「インテリアにもなるようなおもちゃ」作りをしています。
立ち上げ当初大変だったのは大量ロットのものだと安く作れるけど少量だとお金がかかってしまうこと。大体作るのは小ロットや中ロットが多いので作ってくれるところを探すのが難しいです。
自分で企画したデザインを職人さんに「作れますか?」と持って行ったこともありますが、「これ、売れるの?」とか言われたりもしました。
やったことない人が持って行っても相手にされないのは当然ですよね。まずは自分のできる範囲でレーザーカッターを使って内製をはじめて販売してを繰り返し、経験しながら実績を積み重ねて、徐々に外部の職人さんともお仕事ができるようになりました。クリスマスなどは注文が多くなるのでアルバイトさんや内職さんに手伝ってもらって製作してます。

経営者としての変化

やはり売り上げのことは考えます。はじめは全然売り上げがなくて、そのうち助成金のことを知り利用させてもらいました。法人化して個人と違うところは信用ができたこと。個人と会社だとしていることは同じなんですが信用度が違います。個人だと私が「やめた」と言えばやめになるのですが、そうではなくきちんと続いていくようにはしたいなと思っていました。「前売っていたおもちゃがなくなった」などということはしたくなくて法人化したということもあります。
また今年は新卒の社員を採用しました。プロダクトデザインを専門学校で学んでいてアクセサリーなどが作れるのでその経験を活かしてほしいです。

創業してよかったこと

今Wish to go!という新しいメディアをしています。これは私が実際に買ったり食べたりしたものでいいなと思うものを記事にして発信しているブログです。私はもともと写真を撮ることが好きで昔からいろんな写真を撮り貯めていました。最近はコロナのこともあって、テイクアウトやお取り寄せのものなどを食べる機会が多くなりはじめました。これを読んで、誰かが次に行きたい所がみつかればいいなという感じで、売り上げ関係なく休憩中などちょっとした時間のある時に運営しています。
会社だと「経費がかかる」とか「誰がするんだ」とかそういったことがまず出てくると思うんですが、自分がおもしろいな、やりたいなと思ったことが自分で決められる、できるのがいいところだと思います。

これからどのようにサービスを育てていきたいですか

広島には、金仏壇という伝統工芸がありますが、ライフスタイルの変化もあって仏壇の売上は落ちているそうです。技術はあるけどそれをどう活かしていいかわからない。そういう問題を解決する伝統工芸再生委員会というプロジェクトに声をかけていただいたことがきっかけで、伝統工芸に携わる職人さんと新しい商品をつくっています。
また宮島の古民家を利用したPOPUPストアでの職人さんの技術と作家さんデザイナーさんの新しい発想との出会いによるプロダクトイベントなども開催しています。いろんな人のアイデアや技術を掛け合わせていろんなもの作りをしていけたらと思います。

これから事業をする人に対するメッセージをお願いします

まずはこれをやりたいという熱い想いがあること。それと事業計画のような冷静な目も必要と思います。何年か経過した時に自分の進んでいる道が合っているかどうかがわかります。
それと細々とでも続けていくことですね。続けていくことで人との繋がりができていき、ブランドも育っていくと思います。
今はSNSで個人でも発信できるので本当にいい時代だと思います。うまくセルフブランディングできれば、思ってもみなかった人に商品を買っていただき、それをインスタで「うちではこんな風に飾っている」と発信してもらえる。それを見た人が「それどこの?」という感じでどんどん広がっていく。こういう時代だから仕事ができたのかもしれないですね。